ChatGPTを手がける米国オープンAIが「エージェント機能」の提供を始めました。
これは、AI(人工知能)が人間の代わりにコンピューターを操作し、さまざまなタスクを自律的に実行するもの。同社の機能は「Operator(オペレーター)」と呼ばれ、Webブラウザ上での操作を自動化することを目的としています。
この機能、いったいどのようなもので、中高年世代にはどう役立つのでしょうか。
ざっくり解説します。
AIエージェント機能とは?
Operatorは、仮想ブラウザを使用して、ボタンのクリックやフォームの入力など、人間が通常行う操作を模倣します。この仕組みにより、特定のAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース=異なるソフトウェアやシステムが相互にやり取りをするための仕組み)がなくても、ほとんどのWebサイトでタスクを実行できます。

例えば何ができる?
Operatorは、サイト上で簡単な指示を与えるだけで、レストランや施設の予約、食品配達サービスなどのタスクを自動で実行します。
例えば、「週末に泊まれるホテルを予約して」といった指示を入力すると、AIがウェブサイトを検索し、予約作業を進めるといった具合です。
他にも、こんな使い方が考えられます。
- ネットショッピング: 手書きメモの画像をアップロードし、指定された商品を最適な価格で購入する
- 予約業務: Googleカレンダーと連携し、空き時間に合わせた美容室やスポーツ施設を予約する
- メール送信: 指定されたメールアドレスに営業メールを自動送信する
- 複数タスクの同時処理: 旅行プランの策定と航空券の予約を並行して行う
Operatorは、セキュリティーやプライバシーに配慮し、ログイン情報の入力や支払い確認など、重要な操作が必要な場合は、ユーザーに操作権限を一時的に渡す仕組みになっています。
日本で使える?
これを書いている時点で、エージェント機能はアメリカ国内のChatGPT Pro(月額200ドル=約31,000円)加入者向けに提供されています。今後は他国や一般ユーザーにも拡大される予定です。
同様のAIエージェントはGoogleやAnthropicなども開発していて、競争は激化。日本でも、よりリーズナブルな価格で利用できるよう期待したいところです。
中高年に役立つ活用法は

では、AIエージェント機能が中高年世代にどう役立つのでしょうか。
考えられることを挙げると‥‥。
1. 健康管理のサポート
- 服薬管理のリマインダーに使う
- 健康データの自動記録と分析に使う
- オンライン診療の予約代行に使う
- 医療情報の整理と共有に使う
2. 社会的つながりの維持
- AIチャットボットとの会話に使う
- 家族とのコミュニケーション支援に使う
- 趣味や学習に関する情報入手に使う
- 孤独感の軽減に使う
3. 日常生活のサポート
- オンラインショッピングの代行に使う
- スケジュール管理に使う
- 家事のリマインダーに使う
- 緊急時の連絡サポートに使う
4. 認知機能の維持
- 脳トレゲームに使う
- パズルや会話による刺激に使う
- 学習コンテンツの提案に使う
- 記憶力向上のサポートに使う
5. 安全性の確保
- 詐欺防止に使う
- 自宅の安全管理に使う
- 緊急時の迅速な対応に使う
- プライバシー保護に使う
などなど、さまざまな使い方が考えられます。
どんなAIツールにも言えることですが、まずは簡単なことから始めてみるのがおすすめです。
使用時の注意点は

AIエージェントは便利そうではありますが、AIが自律的に判断することによる安全性や倫理的な問題も議論されています。
サイバー攻撃によって、AIエージェントが持つデータが流出する可能性はゼロではなく、誤った情報(ハルシネーション)を生成するリスクもあるからです。
こうした問題に対処するには
- データの暗号化やアクセス制御を徹底し、外部攻撃や内部漏洩を防ぐなどセキュリティー対策を強化する
- AIの判断プロセスを説明可能にし、ユーザーが結果を理解できるよう透明性を確保する
- AIエージェントの具体的な利用シナリオを想定し、リスクを整理して対策を講じる
といったことなどが求められてきます。
まとめ
オープンAIのエージェント機能「Operator」は、AIが人間の代わりにタスクを実行する新しい技術であり、中高年の人たちの生活を豊かにする可能性があリます。
提供者側には、扱いに不慣れな中高年でも難なく使うことができる仕様が求められます。
エージェント機能がこれから本格的に普及すれば、単なる便利ツールではなく、人生をより充実させるパートナーになるかも。
その日は、もうそこまで来ているのかもしれません。