デジタル資産の世界でNFT(非代替性トークン)のトレーディングカード(トレカ)が注目を集めています。
2024年の米国大統領選挙に立候補したドナルド・トランプ氏が、自身のNFTトレカをリリースして話題になりました。
でも、そもそもNFTやNFTトレカって、いったい何?
定年後世代の方にも分かりやすく解説します。
NFTとは
NFTは、デジタル資産の所有権を証明する独自の電子トークン。
(トークンは、デジタル上の「価値の単位」や「権利の証明」のようなもの)
ブロックチェーン技術を使って作られ、改ざんが極めて困難だとされています。
NFTは、デジタルアートや音楽、動画、ゲームアイテムなど、さまざまなデジタルコンテンツに用いられ、近年耳にすることが多くなりました。
NFTトレカとは
NFTトレカは、ブロックチェーン技術を使ったデジタルトレカ。
従来の紙のカードと違って、次のような特徴があります。
- 唯一性と希少性 各カードに固有の識別子が付与されているので、コピーや改ざんが困難です
- 所有権を証明 ブロックチェーン上に所有権が記録されるので、権利を明確に証明できます
- デジタルならではの特性 静止画だけでなく、音声や動画をカードに組み込むことができます
- 取引は仮想通貨が可能 NFTマーケットプレイスで仮想通貨を使って取引が可能です
- 永続性 サービス終了後も所有し続けることができます
トランプ氏はNFTトレカ活用に積極的
トランプ氏は、NFTトレカを積極的に活用しています。
- 2022年12月に「Collect Trump Cards」を発売(1枚99ドルで45,000枚を用意)
- これが48時間以内に完売し、約450万ドルを売り上げる
- 2023年4月に第2弾、12月に第3弾をリリース
- 2024年8月には「America First Collection」と名付けた新シリーズを発表
トランプ氏は自身を「クリプト大統領」と呼び、NFTトレカ事業を積極的に推進しています。
(ただし、大統領選に出馬を表明している中での販売に対し、倫理的な問題を指摘する声も上がっています)
NFTトレカの市場規模は拡大する
NFTトレカは、次の点から将来性があると言われています。
- 市場規模が拡大する NFT市場全体が2022年から2027年までに年平均成長率35.0%で拡大すると予測されています
- 大企業が参入している スポーツ、ゲーム、アイドルなど様々な分野で大企業が参入しています
- 技術的な優位性がある ブロックチェーン技術により、デジタルデータの唯一性や所有権が保証されています
- 新しい価値が創出される デジタルならではの特性を活かした新しい楽しみ方が生まれています
- クリエイターに利益が還元される NFTの仕組みにより、作者が転売利益を受け取ることが可能になります
課題をどうクリア?
とはいえ、NFTトレカにも課題はあります。
例えば
- デジタルなので、実物の所有感が薄い
- まだ市場が発展途上であり、一般的な認知度が低い
- NFTの価値の不安定さに懸念がある
といったことなどです。
しかし、こうした課題をクリアしつつ、NFTトレカの特長を活かした新しい価値提案や使用事例が増えていけば、今後さらなる成長が期待できます。
まとめ:著名人とのコラボでさらなる発展も
NFTトレカは、デジタル技術とブロックチェーンの利点を活かした、新しい形のコレクタブルアイテム。
トランプ氏のケースのように、著名人や人気コンテンツとのコラボレーション、ゲームとの連携などにより、さらなる発展を遂げる可能性を秘めています。
これから技術の進化や市場の成熟に伴い、NFTトレカはどのように進化していくのでしょうか。
資産運用の選択肢の一つとしても、注目する価値はありそうです。